寛永年間(1624〜1643年)から元禄時代ごろまでは、菓子屋がそば屋を兼業していたが、享保年間(1716〜1735年)から店をもつそば屋が現れた。

専門のそば屋は、正直仁左衛門が浅草に享保時代末期に開店したのが最初とされる。続いて下谷に「無極庵」、車坂に「玉屋」、団子坂に「つた屋」が開店した。
この「つた屋」はやぶ(藪)のなかにあったので、通称「やぶそば」と呼ぶようになり、以後、藪という字を用いる店が多くなった。
また、浅草の道光庵の庵主がそばづくりが上手だったので、そば屋がこれにあやかり、屋号に「庵」を用いるようになったともいわれている。