
1654年、職業的な賭博師ド・タレは友人のパスカルに、定められた点数に早く達したものが勝ちと決めた勝負で、それが終わらないうちに中止したら、賭け金はどのように配分すべきかと尋ねた。

パスカルは三角形の性質を、フェルマーは組み合わせの理論を応用して、これに答えたのであるが、最初の確率論は、このように純粋な賭けのゲームに対する理論から出発したといわれている。
19世紀までの確率論は古典的確率論といわれたが、20世紀になって、集合論が現われ、その基礎にたって確率論も厳格な理論を備えるようになった。これを近代確率論というが、20世紀数学の最大成果の一つといわれている。